↑虫食いの酷い引き出しの張替え
虫食いの正体はキクイムシ
あれ?桐たんすに着物などを入れて置くと虫に食われないって言うのに不思議ですね。
着物は大丈夫で桐たんすは食われるの?
よくこういった質問をお客様に言われたりします。
昔、障子などを貼り変える時にお米をすりつぶしてノリの代わりに使っていた家庭もありましたよね。
桐たんすも昔はお米をすりつぶしてノリとして使用していました。
ですから、桐たんす自体から虫が湧くのではなく、ノリから湧いているわけです。
板と板をノリで張り合わせた所から虫が湧きます。
その虫の正体はキクイムシと言われています。
幼虫の時にお米で作ったノリを餌として、成虫になると穴を開け外に出ていくそうです。
なので小さい穴だらけになってしまうのですね。
現在の接着剤(木工用ボンド)はを使えば虫がわくこともありません。
虫食いは酷くなると修理がむずかしい
表面上は小さな穴がたくさんあるだけで形はしっかり見えても、中はボロボロになっている可能性があります。
持つだけでボロボロ崩れてしまう箪笥も中にはあります。
直したすぐ隣が壊れてしまうことも。
対処方法
虫食いで穴だらけになってしまったタンスも再生することが可能です。
まず、万が一今も虫がいるようでしたらせまい密室で引き出しを全部引き抜きバルサンなどを炊いて丸一日放置します。
そしてタンスの中も外も洗うことで虫がいなくなります。
修理方法としては
虫に食われた表面を数ミリ削りとってしまいます。
その上で新しい桐の柾で張替えます。
その場合やはり材料を沢山使うことになってしまうので修理費用が掛かってしまいます。
その代わり表面はすべて新しい桐材になるので、それこそまるで新品のように生まれ変わります。
穴だらけの黒ずんだ桐たんすが新品同様になるので、「え?私は新品の桐箪笥を頼んだ覚えはないですよ!」なんてことを良く言われます。
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