桐たんすの気密性
隙間がない!色が綺麗!金具が豪華!などなど色々あるとは思いますし、どれも間違いだとは思いません。
ですが、桐たんすをお持ちの方や興味がある方なら、この気密性を必ずと言っていいほど気にします。
桐たんすは引き出しを入れると別の引き出しがスッと出るもの。
引き出しと引き出しの間の棚の後ろには穴が開いていて、引き出しを入れると空気が押されて、その穴から別の引き出しを押し出すのです。
気密性は職人さんの腕の見せ所
引き出しが入らない状態から少しずつ少しずつカンナで削りぴったりに収まるようにすることで気密性を確保できるんです。
引き出しの上下が隙間なく収めることも大事ですが、引き出しの左右をピッタリ収めることも重要です。
削り直しではそうならない場合も多い
これは仕方がないことなのですが、古くなった桐たんすの修理や再生(一般的には削り直しと呼ばれる)では、すでに出来上がっているタンスを修理するので、元々の構造が大事になってきます。
表面上は桐を使っていても、引き出しを出して中を覗くと杉材などで骨組みを作られていたりするので反っていたり曲がっていたりしますので空気が漏れやすくなってしまっているんですね。
タンスがすべて桐(総桐無垢)で作られていて厚みなどがしっかりしているものは30年も経っているのに、この気密性が温存されていたりしてビックリします。