お預かり時の写真
修理内容
仕上:トノコ仕上げ
金具新品:長座丸環(ながざまるかん)
金具の外し
金具を外し終わりました。
箪笥の洗い
箪笥を洗いました。
日柄も良く乾きも良いです。
糊を入れ打木を打ってガタつきをなおしていきます。
箪笥本体は割れてないのかな?と思いましたが、何点か割れがありました。
放置しておくといずれどんどん広がります。
割れようとしている箇所は、一度割ってやることでストレスを解消してあげます。
それから埋め木で修理していきます。
箪笥の一番下の棚板が割れています。
ここも埋め木で直していきます。
綺麗に埋め木することが出来ました。
これは、ネズミにかじられた後ですね。
かじられた所も新しい材を入れ角を作ります。
引き出しの割れを直していきます。
割れてる部分を欠き取って埋め木していきます。
ユルユルでは意味がないので、少しきつめに入れます。
一見そんなに割れてる箇所はないような感じですが、ちゃんと見ていくとちらほら割れている箇所がありましたので、それらも直していきます。
少しのヒビなども埋め木していきます。
上写真のように先が尖ったような埋め木を表と裏、両方に入れます。
この埋め木の作り方ですが、鉋などを使っても出来るとは思いますが、時間がかかります。
昇降盤と呼ばれる機械のテーブル部分が斜めに傾けることができます。
試し切りを何度かして丁度良い角度になったら、デジタル分度器を置いて角度を覚えておきます。
昇降盤にも目盛りがありますが、このような昔ながらの木工機械の目盛りは大雑把です。
なので、大雑把に合わせてデジタル分度器などで細かい数値を見ます。
このデジタル分度器は、鉄にくっつくので昇降盤の傾斜角がわかります。
この手のデジタルな計測器は、当たり外れがあるようで、最初から精度が悪いものもあるようです。
こういう精密機械は、落としたりすると精度が悪くなり測っても信用できなくなったりするので、大事に扱います。
セッティングが終わったら、片面を切って、ひっくり返して切れば、先ほどの先の尖った埋め木が出来上がります。
浮造り(うづくり)
上写真の様子は、浮造りなんて言ったりします。
かるかやの根を束ねて出来ていて、木目に沿って何度も擦っていくと凹凸ができ、木目や年輪を浮き立たせる仕上げです。
これをしないと、ヤシャ砥の粉を塗った時の木目の反応が悪くなります。
上写真のように木目に沿ってスジがつきます。
ヤシャ砥の粉塗り
砥の粉仕上げようの液になります。
上写真の砥の粉とヤシャブシを使用して箪笥を仕上げていきます。
トノコを水に溶かした液で目止めをしてから、トノコとヤシャを混ぜたもので最終的に仕上げます。
トノコ塗りが終わりました。
蝋引き(ろうびき)
トノコが塗り終わり乾きましたら、カルナバ蝋と言われる蝋を表面に塗っていきます。
蝋を引くことで、手垢や水に少しだけ強くなり、木目に光沢が出てより綺麗になります。
ですが、トノコ仕上げは水は絶対に厳禁です。
表面などを水を含ませた雑巾などで拭いては絶対にいけません。
蝋引きが終わりました。
この後、金具などをつけていきます。
引き違い戸の金具を取り付ける穴(座ぐり)をあけます。
戸引手の金具や引き出しの金具などをつけていきます。
桐箪笥の修理、再生完了写真
カギは上写真の場所に入れておきます。
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