お預かり時のお写真

古い和箪笥

【修理内容】

金具は現在の物をそのまま使用(真鍮色に塗装)

箪笥のクリーニング

台輪は外して床から高さ約10cmで脚を制作、取り付け

塗膜の再塗装

進捗状況 (修理風景)

台輪の取り外し

台輪の取り外し

脚を取り付けるので、台輪を取り外していきます。

台輪の取り外し

台輪は接着剤と釘で固定されていましたので、インテリアバールの平たい部分を隙間にねじ込んで、テコの原理で外していきます。

接着剤は劣化してましたので、思いの他簡単に外すことが出来ました。

箪笥の台輪取り外し

台輪を取り外すことが出来ました。

脚の制作

箪笥の脚を制作

箪笥の脚を制作していきます。

箪笥が結構な重量があるので、しっかりと支えられる脚にしました。

箪笥の脚を制作

幅がありますので、引出しの中に物を入れた時に真ん中が沈まないように、中に2本補強を入れます。

箪笥の脚を制作

脚は釘やビスなどを使用しないでお作りしています。

脚を制作

ホゾ穴とホゾ両方に糊を塗って組み立てていきます。

箪笥の脚を制作

脚の組み立てが終わりました。

箪笥をしっかりと支えることが出来る脚になったと思います。

箪笥に脚を制作

箪笥正面の角は丸味を帯びていましたので、脚の角が出っ張るので、同じように丸味が出るように加工します。

内丸鉋

内丸鉋を使って箪笥のRに合うよう調整しながら削っていきます。

脚の角を丸く加工

箪笥のRにピッタリと合いました。

突板の剥がれ修理

突板の剥がれ修理

側板の突板がところどころ剥がれかかってきていましたので修理致します。

突板の剥がれ修理

剥がれている部分に糊を入れて写真のように圧着させてくっつけます。

背板の磨き

箪笥の背板の削り作業

箪笥の背板が汚れていましたので、サンドペーパーで磨いて綺麗にします。

背板は突板なのでやりすぎるとベニヤ部分が出てきてしまうのでやり過ぎに注意しながら作業しています。

背板の修理

上段の背板

上段の背板はベニヤに貼ってあったであろう突板がボロボロと剥がれてくるぐらい劣化していました。

背板の修理

劣化してボロボロと剥げる部分はなるべく剥いで、その上から新しい薄いベニヤを貼ることに致しました。

背板の修理

この背板部分は白ボンドで接着する場合は乾燥が遅いのでクランプなどで圧着させなければいけないです。

ですが、背板部分はクランプがかけられないのでゴム系の速乾ボンドを使用いたしました。

背板の修理

元の背板と貼り付けたいベニヤ板両方に速乾ボンドを塗り、ある程度乾燥(5分~10分)してきたらベニヤを置き、ローラーでぐりぐり押し付けて貼り付けます。

剥がれやすい隅などはゴムハンマーなどで叩いて圧着させます。

ゴム系の速乾ボンドはボンドが乾いてくっつくのではなく、半乾きのゴム同士を圧着して分子レベルで絡ませる仕組みです。

 

  • ゴム同士が密着
  • 表面の分子同士が絡み合う(拡散する)
  • 空気が押し出される
  • 一気に強い接着が成立

ゴム系ボンドがホームセンターなどで売ってる白系ボンドと違うのはこういった理由です。

叩いたり、押したり、することで瞬間的にくっつくのが特徴です。

なので今回のような場面に適しているやり方です。

背板の貼り変え

綺麗に貼ることが出来ました。

廻り縁

速乾ボンドとは言え、剥がれる時は端から剥がれるので、四方に角材を打つ(廻り縁)をすることで、よりベニヤを剥げづらくします。

廻り縁

廻り縁を細い釘で打ちつけていきます。

箪笥本体の中を掃除

箪笥の中の掃除

箪笥本体の中はベニヤなので、水でジャバジャバ洗うことは出来ませんので、水をよく絞ったウエスで中を丁寧に拭いていきます。

ベニヤといっても木材なので、長い時間をかけホコリなどを吸収してしまっているので拭いたウエスは真っ黒になりました。

箪笥の磨き(足付け)

箪笥の磨き(足付け)

箪笥の仕上げ面(塗装部分)を粒子の細かいペーパーで磨いていきます。

今回は木地の部分までは剥がさないで、吹き付けだけするので、元々の透明な塗膜(ラッカー)の表面を磨きます。

透明な塗膜にはラッカーやウレタンなどがありますが、どの上塗りをするにしてもツルツルの面に吹き付けると塗料の食いつきが悪くなります。

塗料の食いつきが悪いと、それが剥がれの原因になります。

なので塗膜についた汚れを落としながら、塗料の乗りを良くするために磨きます。

これを足付け作業なんて言ったりします。

粒子の細かいペーパーなので磨いた所の手触りはツルツルなのですが、顕微鏡レベルで見れば表面が荒れます。

足付け作業

こんな感じで引出し、本体ともに仕上げてある部分を磨いていきます。

塗膜のヒビ(クラック)は、上塗りをした時には多少は馴染むかと思います。

色塗り

タンスの着色

透明な塗膜を剥がしてないので、色を塗っても木に染み込む訳ではないのですが、ぶつけて色が剥がれてしまった箇所には色が入ります。

また、塗料の中には多少の溶剤(シンナーまたはラッカー)が入っているので、表面を少し溶かす作用もあるように思います。

塗膜の劣化なども少し溶け、表面を磨いた(荒した)部分に多少色が入ることで見栄えが良くなります。

タンスの縁の塗装

タンスの縁の塗装

タンスの縁は元々が金色に装飾されていましたので、箪笥の縁を塗装していきます。

金色といっても鮮やかすぎる金色はかえって塗った感が出てしまうので、真鍮色に近いもので塗らせて頂きました。

タンスの縁を真鍮色に塗る

新品にするのが目的ではないので、ある程度に留めました。

少しアンティーク感が残るぐらいの方が丁度いいと感じました。

ラッカー塗装

金色で塗った部分が剥げないように上塗りで色止めしています。

仕上げ吹き

ラッカー上塗り

表面を磨いて足付けした箇所を仕上げ吹きしていきます。

上塗り

まずは塗りにくい中を吹いていきます。

ラッカー吹き付け

タンス本体・引出しなども吹き付けていきます。

ラッカー吹き付け

良い感じに吹き付けが出来ました。

脚の着色と仕上げ

ヒノキの脚の着色

制作した脚に箪笥と同じような色を着色していきます。

木製脚の着色

まず赤を薄めたものを塗っていきます。

現在の箪笥の色に配合でピッタリ合わせるのは至難の業です。

配合しても試し塗りして違ったら作り直しの繰り返しとなります。

今回は黒の中に赤が入ったような箪笥、一般的にはマホガニと呼ばれる塗料の色味。

なので、最初に赤を入れていきます。

黒の入れ方、重ね塗りで色味を調整していきます。

木製脚の着色

赤が入れ終わったので、黒を薄めたものを塗っていきます。

木製脚の着色

黒をだんだん濃くしていき何度か塗り重ねました。

着色した木製脚と色比べ

タンス本体と色味が大体合いました。

仕上げにラッカーを吹くと濡れ色になり少し濃くなるのも計算しておかなければなりません。

木製脚のラッカー仕上げ

スプレーガンで吹いていきます。

木製脚サンディング

1度目を吹くと表面が毛羽立つので紙やすりでサンディングします。

木製脚の塗装

仕上げ吹きまで終わりました。

脚の取り付けとフェルト

タンスの脚を制作

木製脚の取り付け

制作した脚を箪笥に取り付けていきます。

脚の裏にフェルト

タンスの重量がかなりあるので床を傷付けないようにフェルト貼りました。

塗り直し完了

タンスの塗り直し完了

引出しの表面がマダラになっていた部分も気にならないほどになりました。

保護膜のクラック

引出し表面のヒビ(クラック)も最初よりは目立たなくなったと思います。

金具の塗装と取り付け

塗装の足付け

塗装の食いつきをよくするため粒子の細かいペーパーで表面を磨いて(足付け作業)いきます。

金具の塗装

左が塗装前で右が塗装後になります。

下地が少し見えるぐらいの塗装に留めました。

下地の黒っぽい部分が少し残っていると色味に深みが出ますし、金具がより立体的に見えます。

金具の塗装

塗装の後は表面にラッカーで少しだけ色止めを吹いておきました。

塗装後の金具

良い感じの色味になったと思います。

金具の取り付け

塗装が終わりましたので金具を元の場所に取り付けていきます。

引出しの中のクリーニング

引出しの中は水をよく絞ったウエスで拭きクリーニングいたしました。

完成写真

全体写真

洋タンスの塗り直し後

ビフォー・アフター

洋タンスの塗り直し後

洋タンスの塗り直し後

上段写真

洋タンス

洋タンス

下段写真

洋タンス

洋タンス

洋タンス

洋タンス

納品後のお写真

洋タンスリメイク

納品後、お部屋に設置された際のお写真を、ご依頼者様よりお送りいただきました。

カーテンの色味やフローリングの色味、お部屋全体の雰囲気にとても合っているので私もびっくりいたしました。

ご依頼者様にも「まるで、ここに置かれることが決まっていたかのような」などと言っていただき、とても光栄に思いました。

ご依頼ありがとうございました。

 

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