お預かり時の写真

作業内容
虫食いは裏面、引き出しの中は交換。
その他、表面などの虫食いはなるべくそのまま。
模様など、全体の雰囲気はなるべく現在のまま。
引き出しのツマミ金具は新しい物に交換。


引き出しの裏側が虫食いと割れ多数。

鏡台の背中虫食い多数。

修理風景

鏡台の下部分、床に接地する部分を修理します。
鏡台の大きい鏡を支えるわけですから、この足元がしっかりしてないと重たい鏡を支えられません。
背板も交換しますので、ある程度分解していきます。
現在の仕上げ面は、なるべくそのまま使用しますので、キズなどをつけないよう気を付けて分解します。

虫食いの背板を取りはずしていきます。

背板を取りはずし、緩んでいる所などを直していきます。

虫食いの多い引き出しの底を取り替えていきます。

底だけじゃなく横板などもかなり虫にやられてしまっています。


引き出しの枠などを心材で取り替えました。

板の厚みを削る機械、自動鉋とかプレーナーと言われている機械です。
底板に使用する厚みに削ります。

欲しい厚み4mmになりました。

引き出しの割れや緩みなどを修理していきます。

上写真のように緩んでいる所にボンドを入れ締め直します。

その他の引き出しの緩みも直します。

緩みがひどい引き出しは、一度バラして糊を入れ組み直します。
底板は虫食いがありましたので、取り替えます。

鏡台の鏡部分になります。
鏡を取り外すため裏の板を取り外します。

裏の板も虫食いが多いので、お取替えします。
鏡は重いので、それを押さえる重要な役割ですので、虫食いでグズグズになっている所に釘を打っても効きが悪くなり危険なので取り替えます。

修理をしていたら、虫が這っていたので、念のためバルサンで殺虫します。

いぶして、殺虫します。

煙が漏れないようにして、4時間ほどおきます。
この後、箱を開けて、鏡台を見ましたが、虫が死んでいる様子もないので、すでに虫はいなかったようです。

いぶしたので、表面が粉っぽくなったので、水吹きして綺麗にします。

鏡台の脚というか台座がない部分がありましたので、お作りしていきます。

元々の脚の形を写しとります。

小型のバンドソーと呼ばれる機械で、鉛筆で墨つけした線に沿って切っていきます。

脚がなくガタついていましたが、この脚をつけることでガタつきはなくなります。

上写真は、鏡台の下周りになる材です。
これに脚を取り付けます。

鏡台の重さを支える土台みたいなものですので、ここがしっかりしていることが重要です。
これも虫に結構やられてしまっておりますので、新しい材でお作りします。

部材をカットしたのですが、鋸目(ナイフマークなんていったりします)を鉋を掛けて綺麗にします。


綺麗になりました。
この土台はしっかりして欲しいので、硬めの樹種のタモでお作りしています。

これを鏡台の下周りに取付けます。

虫食い多数だった背板の部材を切り出していきます。

溝に入るか仮に入れて確かめます。

各背板を仮入れしてみます。

元が黒い色だったので、黒に塗っていきます。

一度塗りですと、水分を吸って表面が毛羽立つので乾いたら毛羽立った表面を磨いてから、もう一度塗ります。

乾くのを待ちます。

脚を90℃で接着した後、上写真のように切れ込みをいれ板を差し込み強度を上げます。

製作した脚部分を接着しただけでは、後々壊れるとしたらこの接着部分で、特に留め(斜め45度)で接着した部分が取れてしまったりします。
上写真のように板を差し込みのを「かんざし」なんて言ったりします。
これで、この接合は簡単には壊れなくなります。
ボンドを入れ板を差し込み、乾いたら余分な所をカットします。

新しい背板を入れながら分解した箇所を組み上げていきます。

鏡の押さえ板の製作。

押さえ板の形を下のべニアに写しとります。

新し、押さえ板が出来ました。

鏡台の脚などを取り付けて養生をして、着色とウレタンの準備をします。

正面の引き出しのような色を、薄くしたものを塗ります。
現在の雰囲気を残すように、あまり色はつかなくても良いかなと思いながら塗ってます。

引き出しなども塗っていきます。
着色終了画像





ウレタンを吹いていきます。
ウレタンは、表面に透明な保護膜をつくり、色落ち止めや手垢防止、少しだけしっとり艶がを出す効果があります。

本体なども吹いていきます。

引き出しのツマミ金具をつけていきます。

とても良い雰囲気だと思います。

鏡の汚れをクリーナーで落として綺麗にします。

イボタ蝋と呼ばれる蝋で引き出しがスムースに開閉できるように塗っていきます。

鏡台の鏡を支える部分を組み立てます。
鏡台を古いイメージはそのままで、虫食いや脚の製作の修理完成写真










お客様により、綺麗に直したいと言う人もいれば、見た目の古さも思い出の積み重ねなので見た目はあまり変えないで欲しいと言う人もいます。
ただし、虫食いがあまりにも進んでしまっている箇所などがある場合、構造的にとても弱くなってしまいます。
なので、見た目はそれほど変えずに、ネックになっている箇所だけ新しくして古いイメージに仕上げることも可能です。
アンティーク感が好きでも、箪笥本体の中が汚れやホコリまみれ、虫くいだらけになってしまっていると、なんとなく使うのをためらってしまいます。
引き出しだけ、虫くいや割れなどの修理も行っています。
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