お預かり時のお写真





修理風景と進捗状況

長火鉢の火鉢部分が灰やホコリなどで汚れてしまって不衛生なので、銅板を外して掃除します。

銅板が外し終わりました。
本来であれば底部分にも銅板があったはずですが、銅板がない状態でお使いになられたようで、底部分が焦げてしまってますね。

中に溜まった灰を掃除機で吸い取ってます。

汚れを水を含んだ板をウエスで拭いて綺麗にしていきます。

長火鉢の傷んだ塗装を落として木肌を出していきます。

表面を少しずつ削っていき段々と綺麗な木肌が見えてくるのがわかると思います。

引き出しも古い塗装を剥いでいきます。
多少の傷であればこの段階で取れていきます。

長い時間を経て、天板部分の板が痩せて(ちぢんで)しまっていたので、修理します。

長火鉢で使用されている木材と同じ欅(ケヤキ)で痩せてしまった厚み分を付けたします。

これで、縮んでしまった分の厚みを回復することが出来ました。

引き出しの中を綺麗にして欲しいとのことでしたので、中を綺麗にしていきます。
使用しなくなってから保管状態で長い時間経過されているので、汚れが深く浸透してしまっていましたので、木材用の漂白を薄めたものを塗ってます。
雑菌などは、この段階で死滅すると思います。

塗ってはしばらく経過後に拭き取りを数回繰り返します。

漂白を拭き取り後、良く乾燥させてからサンダーで表面の汚れを落としていきます。


最初に比べると飛躍的に綺麗になりました。

一部深くまで浸透してしまった染みは鋸ってしまいましたが、衛生的には問題ないと思います。

長火鉢の火鉢部分の内側を桐材で内張りをして箱にしていきます。

火鉢部分が綺麗になりました。

金具を磨いて古い塗装を剥がしていきます。

金具を磨いてみたら、鉄ではなく真鍮製ですね。

金具を塗り直しました。


火鉢部分の小物入れに蓋を作っていきます。

板の四方を段欠きして、溝に入れて蓋を作ります。

こんな感じで溝に入れていきます。
こうすることで、板が反りたいけど反れない状態を作りだします。

蓋が出来上がりました。

開けるとこのようになってます。

角を45°の留めにしたので、接合部分が若干弱いので、「かんざし」(挽き込み留め継ぎ)と言われる継手を使用して強度を上げます。

このようにして女性の髪に「かんざし」を挿す様子に似ているから、このような名前がついたのだと思います。
強度が格段に上がります。

綺麗に「かんざし」が入りました。

蓋の両サイドに手掛かりを加工しました。

塗装の準備をしていきます。
塗りたくない部分に養生をしていきます。

本体の引き出しが入る中は塗装したくないので、このように養生します。

カシュー塗料で塗装していきます。
最終的にはスプレーガンで綺麗に仕上げるのですが、最初は塗ったら拭き取り、拭き漆の要領で薄い塗膜を作ります。
漆に比べると扱いやすいとされているカシュー塗料ですが、一般の方ではとても難易度が高い塗料なんじゃないかと思います。
粘度がとても高いので、まごまごしていると固まってきて、戻れないし進めないってことになりがちです。
薄めすぎると垂れてくるし、ベトベトすぎると塗りながら固まってきてしまいます。
その日の温度でも薄める配合が変わります。

本体も塗っていきます。

一度目の拭き仕上げが終わりました。
塗膜は薄いですが、拭き漆みたいな感じでこのままでも木目が際立って綺麗です。

どんな木材でも塗装1回目は表面が毛羽立つので、ヤスリで毛羽立ちを取ってツルツルにしていきます。

カシュー透に少し色を入れてスプレーガンで仕上げていきます。
乾いたら磨いて、塗装を数回繰り返します。




塗っては乾かし、磨いて、そいて塗ってを何度も繰り返し仕上げていきます。
長火鉢リメイク完成写真












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